こんにちは。家電FAQ、運営者の「R」です。
「三菱冷蔵庫を動かしたいけど、どこから手をつければいいかわからない」――そんな声をよく聞きます。掃除のために少しだけ動かしたい、模様替えで場所を変えたい、あるいは引越しで大きく移動させたい。目的は人によって違いますが、三菱冷蔵庫の動かし方を知らずに力任せに動かすと、床を傷つけたり、蒸発皿の水が溢れたり、最悪の場合は冷蔵庫本体を傷める可能性があります。
三菱冷蔵庫には「調整脚」と「前輪キャスター」が搭載されており、正しい手順で調整脚を緩めれば、大型冷蔵庫でも比較的スムーズに動かせます。ただし、事前の準備を怠るとトラブルになりやすいのも事実です。この記事では、三菱冷蔵庫の動かし方について、事前準備から移動手順、移動後の再稼働まで順を追って解説していきます。
三菱冷蔵庫の動かし方に必要な事前準備

冷蔵庫を動かすときに一番大事なのは、実は移動の手順そのものではなく、動かす前の準備です。準備を丁寧にしておくかどうかで、作業のスムーズさも、その後のトラブルの有無も大きく変わってきます。このセクションでは、三菱冷蔵庫を安全に動かすために知っておきたい事前準備をまとめました。
電源を切るタイミングと事前確認
まず確認しておきたいのが、電源を切るタイミングです。
少しだけ前後に動かすだけなら電源を切らなくても作業できるケースもありますが、引越しなど長距離を移動させる場合は、前日までに電源プラグを抜くことが必要です。電源を切ると庫内温度が上がるので、食品は事前にクーラーボックスなどに移しておきましょう。
電源を切った後は、冷蔵庫内の霜が溶けて水分が出てくる場合があります。特に古い機種やフレンチドアタイプでは、霜取りが完了するまでに数時間かかることもあります。余裕をもって前日の夜に電源を抜いておくのがベストです。
また、電源を切る前に確認しておきたいのが、使用中の機能設定です。急速冷凍や製氷運転中だった場合、電源を切ることで氷や冷凍食品の温度が急上昇します。設定をいったんオフにしてから電源を抜く手順を取ると安心です。
掃除のために少し動かすだけであれば、電源を入れたまま短時間で作業を済ませることもできます。ただしその場合も、電源コードを引っ張らないよう、コードの長さと移動方向を必ず確認しておいてください。コードが抜けたり傷ついたりすると、故障や漏電のリスクになります。
掃除目的で少し動かすだけなら電源オンのままでもOKですが、30分以上扉を開けたまま作業するときは電源を切るほうが庫内温度の管理がしやすくなります。
製氷機能がある機種の水抜き方法
三菱冷蔵庫の上位モデルの多くは、自動製氷機能を搭載しています。これらの機種を移動させる場合、給水タンクと製氷皿・貯氷箱の水や氷を必ず処理する必要があります。
手順としてはまず、給水タンクを冷蔵庫から取り出して中の水をすべて捨てます。次に製氷皿の氷を貯氷箱に落とし、貯氷箱の氷もすべて取り除きます。その後、製氷運転を停止させてから電源を切る流れになります。
機種によっては「製氷停止」ボタンが操作パネルにある場合があります。三菱電機のWZシリーズやMZシリーズなどでは、操作パネルで製氷機能を個別にオフにできます。移動前には必ずこの製氷停止操作を行い、給水ラインに水が残らないようにしましょう。
これを怠ると、冷蔵庫を傾けたときに給水ホース内の水が漏れ出し、床を濡らすことがあります。特に階段を使って移動させる場合や、引越し業者に依頼する前には必ず確認してほしい手順です。
また、製氷機フィルターが取り付けられている機種では、フィルターも取り出して別途保管しておくと、移動中の紛失を防げます。フィルターの場所は機種によって異なるため、取扱説明書を参照してください。
蒸発皿の水の処理と準備手順
冷蔵庫の背面下部には「蒸発皿(エバポレーターパン)」と呼ばれる部品があり、霜が解けた水が溜まる仕組みになっています。通常は運転中の熱で蒸発するので意識することは少ないのですが、電源を切って移動させるときはこの水が溢れる可能性があります。
三菱冷蔵庫では、蒸発皿の位置と取り出し方が機種によって異なります。背面下部のカバーを外すとアクセスできる機種もあれば、サービスマン以外の分解が推奨されていない機種もあります。
一般的な対処法としては、電源を切ってから数時間以上待ち、霜が十分に溶けた後で蒸発皿の水をタオルや雑巾で吸い取る方法があります。冷蔵庫を動かした際に水が垂れてくる場合は、移動前に蒸発皿の水抜きを行っておくと安心です。
機種の取扱説明書に「移動時の注意」として蒸発皿の水抜き手順が記載されている場合もあります。引越しなど長距離の移動前には必ず取扱説明書を確認することをおすすめします。
蒸発皿の水を抜かずに冷蔵庫を大きく傾けると、水が庫内に逆流したり床に広がったりすることがあります。特に横積みは厳禁です。
床や壁の傷防止に使える養生グッズ
冷蔵庫は重量が100kg〜150kgを超えるものも多く、フローリングや壁への傷防止対策は必須です。準備しておきたい養生グッズをいくつかご紹介します。
厚手のダンボール・段ボールシートは最も手軽な床の保護材です。冷蔵庫の移動ルートに敷いておくことで、床を引っかき傷から守れます。ただし冷蔵庫の重量に耐えられるよう、数枚重ねて使うのがおすすめです。
毛布・古布団は横方向に動かす際に下に敷くと、床を滑らせるように移動できます。後ほど詳しく説明しますが、三菱冷蔵庫の前輪は前後移動向けに設計されており、横方向には動きにくい構造です。毛布を使うと横移動がかなり楽になります。
冷蔵庫移動専用の滑り材(フロアプロテクター)は、ホームセンターや100均でも購入できます。冷蔵庫の脚部分に貼り付けるタイプや、下に敷くマット型のものがあります。特にフローリングを傷つけたくない場合はこちらが確実です。
また、冷蔵庫の側面や背面が壁に当たりそうな狭い場所を通る場合は、壁面に養生テープ+ダンボールを貼っておくと安心です。新築やリフォーム後の家では特に注意が必要です。
一人で動かせる重さの目安と限界
「一人で三菱冷蔵庫を動かせるのか?」はよく聞かれる疑問です。結論から言うと、少しだけ前後に動かす程度なら一人でも対応できますが、大きく動かす場合は二人以上が理想です。
三菱冷蔵庫の主要機種の重量は以下のとおりです。
| 機種の目安 | 容量 | 重量の目安 |
|---|---|---|
| コンパクトタイプ(MR-P15Hなど) | 146〜155L | 約38〜45kg |
| ミドルサイズ(MR-C40H等) | 365〜401L | 約70〜85kg |
| 大型フレンチドア(MR-WZ61Kなど) | 608〜735L | 約110〜150kg |
150Lクラスのコンパクトなものであれば女性一人でも動かせますが、400L以上の大型になると一人での移動はかなり難しいと考えてください。無理をすると腰を傷めるリスクもありますし、冷蔵庫を倒してしまう危険もあります。
一人でも動かしやすくなる工夫として、先ほど紹介した養生グッズの活用が有効です。また、家具移動用の「スライダー(フェルトパッド)」を脚部分に取り付けると摩擦が大幅に減り、軽い力でスライドできるようになります。ただし冷蔵庫が動きすぎて制御が難しくなる場合もあるので注意が必要です。
三菱冷蔵庫の動かし方と移動後の再稼働手順

準備が整ったら、いよいよ実際に三菱冷蔵庫を動かす作業に入ります。三菱冷蔵庫には調整脚とキャスターが搭載されており、正しい手順で操作すれば力を入れすぎずに動かせます。このセクションでは、前後・横方向・引越し時の移動手順と、移動後の再稼働までを詳しく解説します。
脚カバーの外し方と調整脚の緩め方
三菱冷蔵庫を動かす際の最初のステップは、脚カバーを外して調整脚を緩めることです。
冷蔵庫の下部前面には「脚カバー」と呼ばれるプラスチック製のパーツが取り付けられています。これは調整脚やキャスターを覆っているカバーで、取り外すことで中の調整脚にアクセスできます。
脚カバーの外し方は機種によって異なりますが、多くの場合は手前に引くだけで外れます。固い場合は、下から少し浮かせるようにしながら手前に引くと外しやすくなります。爪で引っかかっているタイプもあるため、無理に引っ張らず、取扱説明書を確認してから作業してください。
脚カバーを外すと、左右に調整脚が見えます。調整脚は冷蔵庫の水平を保つためのネジ式の脚で、これを緩めることでキャスターが床に接地して冷蔵庫が動かせるようになります。
調整脚の緩め方は、反時計回りに回すことで脚が上がり(縮む)、キャスターが床に接地します。両側を均等に緩めましょう。片方だけを大きく緩めると冷蔵庫が傾いて不安定になるため注意が必要です。
調整脚は「反時計回りで緩む(キャスター接地)」「時計回りで固定(脚が床に着く)」と覚えておくとスムーズです。移動後は必ず時計回りで固定するのを忘れずに。
調整脚がなかなか回らない場合は、固着している可能性があります。その場合の対処法については、三菱冷蔵庫を動かしたいのに調整脚が回らないときの対処法をご参照ください。
前後への動かし方とキャスターの使い方
三菱冷蔵庫の多くは、前後方向への移動に対応したキャスターを前脚に搭載しています。調整脚を緩めてキャスターを接地させれば、前後方向には比較的スムーズに動かすことができます。
前後移動の手順は以下のとおりです。
①脚カバーを外す → 前述の手順で脚カバーを取り外します。
②調整脚を緩める → 左右の調整脚を反時計回りに均等に緩め、キャスターを接地させます。
③冷蔵庫を押す → 冷蔵庫の上部や側面(運搬用の取っ手がある機種はそこ)を持ち、ゆっくりと前後に押します。キャスターが接地していれば、150〜300Lクラスなら一人でも動かせます。
④移動後に調整脚を固定する → 目的の位置に移動したら、調整脚を時計回りに回して床に固定します。
前方向(引き出す方向)に動かすときは比較的力が入れやすいですが、後方向(壁に向かって押す方向)は視界が確認しにくいため、後ろに人を配置して誘導してもらうか、壁との距離を事前に測っておくと安全です。
また、フローリングのフロアシートが剥がれかけている場合や、床に細かいゴミがある場合は、キャスターが引っかかって床を傷つけることがあります。動かす前に必ず床面をきれいにしておきましょう。
横方向への動かし方と方向転換のコツ
三菱冷蔵庫の前輪キャスターは基本的に前後方向の移動向けに設計されており、横方向(左右)への移動はキャスターだけでは難しいのが実情です。
少しの横移動であれば、次の方法が使えます。
方法1: 斜め移動で少しずつ横にずらす
冷蔵庫を前後に動かしながら斜めに向きを変え、繰り返すことで横方向に少しずつ移動させる方法です。いわゆる「ジグザグ移動」で、幅寄せをするイメージです。大きな力は不要ですが、時間がかかるのと、広めのスペースが必要になります。
方法2: 毛布・古布団の上を滑らせる
冷蔵庫の下に厚手の毛布を敷き、その上を滑らせるように横方向に動かす方法です。フローリングよりも毛布の上の方が摩擦が適度に少なく、コントロールしながら動かしやすくなります。ただし滑りすぎる場合もあるので、二人で行うのが安全です。
方法3: 家具移動スライダーを使う
ホームセンターで販売されている冷蔵庫移動用のスライダー(フロアプロテクター)を脚部分に差し込む方法です。360度回転するキャスタータイプのものを使えば、横方向にも比較的スムーズに動かせます。
いずれの方法でも、冷蔵庫は左右どちらかに傾けるのは避けてください。傾けると内部の冷媒オイルが移動し、コンプレッサーにダメージを与えるリスクがあります。
引越しや模様替えで大きく移動する方法
部屋の中で少し動かすだけでなく、引越しや大規模な模様替えで部屋外まで移動させる場合は、さらに慎重な準備が必要です。
まず冷蔵庫を別の部屋や廊下に運び出す際は、ドア幅と冷蔵庫の幅を必ず測って通れるか確認してください。三菱の大型フレンチドアタイプは幅が900mm前後になるものもあり、標準的な室内ドア(内法幅750〜800mm程度)を通れない場合があります。その場合は扉を外す作業が必要になります。
廊下や玄関などの狭い場所を通る際は、冷蔵庫の前後左右に十分な養生を施した上で、2〜3人で作業することを強くおすすめします。冷蔵庫の角が壁に当たってクロスや壁材が傷つくのは、引越しトラブルの中でも特によくある事例です。
車に積む際は絶対に横積みにしないことが最重要ポイントです。横に倒すとコンプレッサー内のオイルが冷却回路に流れ込み、立て直した後に電源を入れてもすぐに正常動作しない原因になります。三菱電機の公式サイトでも、冷蔵庫の運搬は必ず立てた状態でとしています((出典:三菱電機 CLUB MITSUBISHI ELECTRIC))。
どうしても傾けなければならない場面では、30度以上傾けないことを目安にしてください。また、横に倒してしまった場合は、立て直してから最低でも1〜2時間以上待ってから電源を入れることが必要です。これはオイルがコンプレッサーに戻るのを待つためです。
冷蔵庫を横積みにした場合、立て直してすぐに電源を入れるとコンプレッサーが故障する場合があります。最低1〜2時間は待ってから電源を入れてください。
移動後の調整脚の固定と水平確認
冷蔵庫を目的の場所に移動させたら、次は設置作業です。ここを丁寧にやっておかないと、扉が自然に開いたり閉まらなかったり、異音が発生したりするトラブルにつながります。
調整脚の固定は最初に行います。移動のために緩めた調整脚を、時計回りに回して床にしっかりと着くまで締めます。キャスターが浮くくらい調整脚が床に接地した状態がベストです。調整脚が宙に浮いたままだと、冷蔵庫が前後にゆらゆら動く状態になってしまいます。
水平の確認は、冷蔵庫上部に水準器を置くか、扉を少し開けて離した際に自然に閉まるかどうかで確認できます。三菱冷蔵庫は「やや後ろ下がり」になるよう調整するのが正しい設置方法で、これにより扉が自然に閉まりやすくなります。前に傾いていると半ドアになりやすいため注意が必要です。
調整脚の高さを左右で変えることで、前後左右の傾きを細かく調整できます。左を少し高くしたい場合は左の調整脚を反時計回りに少し緩め、右を下げたい場合は右の調整脚を時計回りに締める、といった要領で調整します。
調整が完了したら脚カバーを元に戻して設置完了です。脚カバーはカチッとはまるまで押し込んでください。
三菱冷蔵庫の動かし方まとめと再稼働の注意点

最後に、三菱冷蔵庫の動かし方の手順と、移動後の再稼働時に気をつけたい点をまとめます。
【動かすまでの手順まとめ】
①食品を取り出し、製氷機能がある機種は給水タンク・氷を処理する → ②電源プラグを抜く(引越しの場合は前日まで)→ ③蒸発皿の水抜きを行う → ④脚カバーを外す → ⑤調整脚を反時計回りに緩めてキャスターを接地させる → ⑥床や壁を養生してから冷蔵庫を移動させる → ⑦設置後に調整脚を時計回りで固定し、水平確認 → ⑧脚カバーを戻す
【再稼働時の注意点】
移動後に電源を入れる際は、冷蔵庫を立てた状態で少なくとも30分〜1時間待ってから電源プラグを差し込むのが基本です。特に傾けて移動した場合はこの待機時間が重要で、コンプレッサー内のオイルが安定するまで時間が必要です。
電源を入れた直後は、庫内温度が設定温度に下がるまで時間がかかります。大型機種では2〜3時間かかることもあります。電源を入れてすぐに食品を入れると傷む可能性があるため、庫内が十分冷えてから食品を移し入れましょう。
自動製氷機能がある機種は、設置後に給水タンクをセットして製氷運転を再開する必要があります。最初の製氷は品質が安定しない場合があるため、1〜2回分の氷は捨てることをおすすめします。
私ならこう判断します。掃除目的で少し動かすだけなら、電源を切らずにさっと前後に移動させて作業を済ませます。ただし引越しや大きな模様替えが伴う場合は、前日の夜から電源を切って水抜きを済ませておくことを徹底します。慌てて準備を飛ばすと、移動中の水漏れや再稼働後の不具合につながるリスクが高まるからです。
この記事は私の知見・経験則と一般的な情報をもとに作成しました。三菱電機の冷蔵庫は機種によって操作方法や仕様が異なります。正確な情報はお使いの機種の取扱説明書、または三菱電機公式サイトにてご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。